【読み方】もんがくしじゅうごかじょうきしょうもん
【見に行った日】2024年8月17日
【見に行った場所】東京国立博物館 平成館
【拝観料】前売券で1900円
【見学にかかった時間】特別展全体で約90分
【鑑賞メモ】
元暦二年(1185)正月十九日に文覚が定めた四十五箇條にわたる起請文。
起請文とは、日本でかつて作成されていた、人が契約を交わす際、それを破らないことを神仏に誓う文書のこと。
神護寺は最澄、空海の活躍後、弟子によって護持されたが、正暦5年(994年)と久安5年(1149年)に火災で焼失するなどしたため、平安時代末期には衰退していた。
わずかに本尊薬師如来を風雨にさらしながら残すのみであった惨状を見た文覚上人は、生涯の悲願として神護寺再興を決意するが、その達成への道はとても厳しかった。
ようやく皇室をはじめ、廷臣(ていしん∶朝廷に仕え、官に任ぜられた役人)、源頼朝、武将などの助けによって復興できたので、これが再び衰退しないようにと元暦二年(1185)正月十九日に
起請を立てた。
はじめに後白河法皇や源頼朝の助けによって神護寺が復興した経緯を述べ、「寺僧は一味同心の事」よりはじめて、専学修業・寺務の粛正・寺領の維持経営など寺内の者が遵守すべき規律を列記している。