国宝巡りの記録

昭和43年発行の国宝事典(増補改訂版)を元に国宝を巡っていきます。

紺紙金字一切経(大長寿院)

【読み方】

こんしきんじいっさいきょう

【見に行った日】

前期:2024年2月24日 後期:2024年3月24日

【見に行った場所】

東京国立博物館 本館

建立900年 特別展「中尊寺金色堂

【拝観料】前売のペア券(購入は2枚単位)で1枚1300円

【見学にかかった時間】

特別展全体でじっくり観て約1時間

【展示物】 

〈前期〉

維摩詰経(ゆいまきつきょう) 巻下

維摩詰という人が出てくるお経。維摩詰は

古代インドの商人。

●優婆塞戒経(うばそくかいきょう) 巻第七

優婆塞とは男性の在家仏教信者のこと。

優婆塞に対し在家の持戒生活の為に戒を説いたもの。持戒とは自分にとって良い習慣を身につけること。戒とは、仏教の信徒が守るべき行動規範。

〈後期〉

●入楞伽経(りょうがきょう) 巻第二

中期大乗仏教経典の一つ。舞台はランカー島(スリランカ)。ランカーに入った(訪れた)釈迦が、そこの魔王ラーバナと対話する、という体裁をとる。

●仏説雑蔵経(ぶっせつぞうぞうきょう)

色々な教えを集めた「その他」的なもの。

【ひとこと】

平安時代12世紀 中尊寺大長寿院所蔵

漆塗経箱は附として国宝指定されている。

孔雀文磬(建長二年銘、地蔵院)

【読み方】

くじゃくもんけい

見に行った日】

前期:2024年2月24日 後期:2024年3月24日

【見に行った場所】

東京国立博物館 本館

建立900年 特別展「中尊寺金色堂

【拝観料】前売のペア券(購入は2枚単位)で1枚1300円

【見学にかかった時間】

特別展全体でじっくり観て約1時間

【ひとこと】 

孔雀文を大きく鋳出した鎌倉時代の銅磬。全面に鍍金を施してある。

中尊寺金色堂堂内具

【読み方】

ちゅうそんじこんじきどうどうないぐ

【見に行った日】

前期:2024年2月24日 後期:2024年3月24日

【見に行った場所】

東京国立博物館 本館

建立900年 特別展「中尊寺金色堂

【拝観料】

前売りのペア券(購入は2枚単位)で1枚1300円

【見学にかかった時間】

特別展全体でじっくり観て約1時間

【見たもの一覧】

●木造天蓋

元々は「中尊寺金色堂堂内具」として国宝に指定されていたが、重要文化財だった金色堂の仏像が平成16年(2004年)6月8日に国宝指定されたときに、「金色堂堂内諸像及天蓋」として改めて国宝に指定された。

●金銅幡頭

幡とは仏教で用いられる旗のこと。仏堂の柱等に懸けられ堂内を飾る。

宝相華唐草文の透彫りとなっている。

宝相華唐草文とは中国および日本の文様のひとつ。唐草模様の一種。

●金銅華鬘(迦陵頻伽文)

華鬘とは寺堂の長押(なげし)などに懸けて、堂内を荘厳するための用具。

迦陵頻伽(かりょうびんが)とは上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の生物。

●木造礼盤

礼盤とは、本尊の前にある、導師が着座して礼拝、読経するための高座。

螺鈿平塵案

「案」とは机のこと。平塵とは、金・銀・錫 (すず) などの地金をやすりでおろして細かい粉にした鑢粉をまばらに蒔いて研ぎ出したもの。

●磬架・金銅孔雀文磬

磬架とは法要の際に「磬」が懸かっているもの。

磬とは磬架に懸けて導師(どうし)の脇に置き、儀礼の合間に打ち鳴らす法具。

【ひとこと】

全て平安時代の品々。国宝に指定されたのは昭和33年2月。金色堂の諸仏像が国宝になったのは2004年であり、その46年も前から国宝だった。岩手県中尊寺金色院の所蔵品が上野で見られてよかった。

東京国立博物館で1番好きな場所 〜法隆寺宝物館〜

【場所】東京国立博物館 法隆寺宝物館

【見に行った日】

2024年1月20日

【拝観料】

同日に観た特別展の前売券1900円で常設展も観れた。

【見学にかかった時間】

宝物館のみで約24分

【日程】11時頃に上野駅に到着。約10分歩き、東京国立博物館に到着。まずは平成館へ。

2階に上り、約2時間かけて特別展を鑑賞。

見終わると1階に下り、考古展示室に入り、約1時間かけて鑑賞。

平成館を後にし、博物館の出口の方向へ向かう。

出口の手前に右に入る道があり、そちらに曲がる。少し歩くと、

「ここが法隆寺宝物館で合ってる?」と思うような近代的な建物が。

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人がわさわさしていなくて静かな場所。

入口を入り展示スペースに入ると、何やら金色の大きなきらびやかなものが吊るされていて息を呑む。吊るされているもののみではなく、外した状態のものも展示されていて、説明書きを読むとそれが国宝だと知る。最初から国宝!

この宝物館には今までも何度か来たことがあり、いつもはそのまま1階の仏像等の展示室に入るのだけど、今日は国宝めあてなので先に2階に登る。階段付近に吊るされているきらびやかなものを眺めながら登っていき、2階の展示室に入った。

そこには法隆寺の貴重な宝物がいくつか並べられていた。法隆寺というだけで何だかスゴイ、という気持ちになる。

2階を一通り見終わると、続いて1階の展示室へ。

わたしが東京国立博物館の中で一番好きな場所。

銅のような色の薄暗い部屋に、ずらっと並ぶ飛鳥時代の小さな仏像。そこににいるだけでも心が洗われる場所。その殆どが重要文化財

知識を持っている人は、ふむふむ、仏像のここがこうなっているんだな、と専門的な見方をしながら巡るのかもしれないけれど、何がどうとか全く無知なじぶんは、一体一体全てに心の中で「こんにちは」と挨拶しながら回る。そうすると、わからないながらも一体一体に深く向き合える。

例えば中尊寺金色堂の仏像は平安時代の12世紀に作られたものらしい。ここにある仏像は殆どがそれよりも遥か昔の7世紀くらいに作られたもの。そのためか日本の仏像なのにどこかオリエンタルな感じがする。

続いて奥の部屋の能面。何だか少し怖いけれど全ての面に一人一人挨拶しながら(←もちろん心の中で)回る。こちらも殆どのお面が飛鳥時代のもの。仏像を見たあとだと神々しさは無くなるけれど、迫力がスゴい。それに遥か昔のものが当たり前のように残っていて展示されていて、飛鳥時代ってかなり昔だよね?江戸時代のお面じゃないよね?と時代感覚が少し狂いそうになる。その中には力士のお面があり、「飛鳥時代からお相撲あったのか!」と個人的にはかなりビックリした。

お面を見終わり、帰るために仏像の展示室に戻る。出口に向かうまでに再度仏像を眺める。どの仏像もじぶんに微笑んでくれている。ような気持ちになるけれど、元々微かに微笑んでいる。

宝物館の出口を出ると、すぐ近くの本館や平成館の人混みから隔離されたような静かな外があった。またこの場所に来たいと思った。

 

 

 

 

 

金銅柄香炉(法隆寺献納)

【読み方】

こんどうえごうろ

【見に行った日】

2024年1月20日

【見に行った場所】

東京国立博物館 

【拝観料】

同日に観た特別展の前売券1900円で常設展も観れた。

【見学にかかった時間】

宝物館のみで約24分

【ひとこと】 

飛鳥時代の鵲尾形柄香炉。

柄香炉とは、仏教儀式の際に僧侶が使用する柄のついた香炉のこと。

鵲尾形(じゃくびがた)とは鵲(かささぎ)という鳥の尾の形のこと。

高勾麗の僧であった慧慈法師が使っていたものと伝えられ、聖徳太子に贈られたものと考えられている。

 

銀竜首胡瓶(法隆寺献納)

【読み方】

ぎんりゅうしゅこへい

【見に行った日】

2024年1月20日

【見に行った場所】

東京国立博物館 法隆寺宝物館

【拝観料】

同日に観た特別展の前売券1900円で常設展も観れた。

【見学にかかった時間】

宝物館のみで約24分

【ひとこと】 

唐時代の水瓶。水瓶とは、仏教において、仏前・墓前に供える水を入れる瓶。

胡瓶とはペルシャ風の瓶のことであり、東西文化交流の資料として価値が高い逸品。

羽が生えた馬の模様が印象的だった。

金銅墨床、水注、匙(法隆寺献納)

【読み方】

こんどうぼくしょう、すいちゅう、さじ(ひ)

【見に行った日】

2024年1月20日

【見に行った場所】

東京国立博物館 法隆寺宝物館

【拝観料】

同日に観た特別展の前売券1900円で常設展も観れた。

【見学にかかった時間】

宝物館のみで約24分

【ひとこと】 

墨床とは、磨りかけの墨をのせておく台。墨台。

水注とは水をつぎ足すための道具。

匙とは水などをすくうための道具。

どれも金銅製。

聖徳太子法華義疏を御執筆の際に御使用になった品々であると伝承され、明治初年まで法隆寺に大切に保管されていた。奈良時代の特色を豊かに示す希有の珍宝。