国宝巡りの記録

昭和43年発行の国宝事典(増補改訂版)を元に国宝を巡っていきます。

東京国立博物館で1番好きな場所 〜法隆寺宝物館〜

【場所】東京国立博物館 法隆寺宝物館

【見に行った日】

2024年1月20日

【拝観料】

同日に観た特別展の前売券1900円で常設展も観れた。

【見学にかかった時間】

宝物館のみで約24分

【日程】11時頃に上野駅に到着。約10分歩き、東京国立博物館に到着。まずは平成館へ。

2階に上り、約2時間かけて特別展を鑑賞。

見終わると1階に下り、考古展示室に入り、約1時間かけて鑑賞。

平成館を後にし、博物館の出口の方向へ向かう。

出口の手前に右に入る道があり、そちらに曲がる。少し歩くと、

「ここが法隆寺宝物館で合ってる?」と思うような近代的な建物が。

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人がわさわさしていなくて静かな場所。

入口を入り展示スペースに入ると、何やら金色の大きなきらびやかなものが吊るされていて息を呑む。吊るされているもののみではなく、外した状態のものも展示されていて、説明書きを読むとそれが国宝だと知る。最初から国宝!

この宝物館には今までも何度か来たことがあり、いつもはそのまま1階の仏像等の展示室に入るのだけど、今日は国宝めあてなので先に2階に登る。階段付近に吊るされているきらびやかなものを眺めながら登っていき、2階の展示室に入った。

そこには法隆寺の貴重な宝物がいくつか並べられていた。法隆寺というだけで何だかスゴイ、という気持ちになる。

2階を一通り見終わると、続いて1階の展示室へ。

わたしが東京国立博物館の中で一番好きな場所。

銅のような色の薄暗い部屋に、ずらっと並ぶ飛鳥時代の小さな仏像。そこににいるだけでも心が洗われる場所。その殆どが重要文化財

知識を持っている人は、ふむふむ、仏像のここがこうなっているんだな、と専門的な見方をしながら巡るのかもしれないけれど、何がどうとか全く無知なじぶんは、一体一体全てに心の中で「こんにちは」と挨拶しながら回る。そうすると、わからないながらも一体一体に深く向き合える。

例えば中尊寺金色堂の仏像は平安時代の12世紀に作られたものらしい。ここにある仏像は殆どがそれよりも遥か昔の7世紀くらいに作られたもの。そのためか日本の仏像なのにどこかオリエンタルな感じがする。

続いて奥の部屋の能面。何だか少し怖いけれど全ての面に一人一人挨拶しながら(←もちろん心の中で)回る。こちらも殆どのお面が飛鳥時代のもの。仏像を見たあとだと神々しさは無くなるけれど、迫力がスゴい。それに遥か昔のものが当たり前のように残っていて展示されていて、飛鳥時代ってかなり昔だよね?江戸時代のお面じゃないよね?と時代感覚が少し狂いそうになる。その中には力士のお面があり、「飛鳥時代からお相撲あったのか!」と個人的にはかなりビックリした。

お面を見終わり、帰るために仏像の展示室に戻る。出口に向かうまでに再度仏像を眺める。どの仏像もじぶんに微笑んでくれている。ような気持ちになるけれど、元々微かに微笑んでいる。

宝物館の出口を出ると、すぐ近くの本館や平成館の人混みから隔離されたような静かな外があった。またこの場所に来たいと思った。