【見に行った日】
前期:2024年2月24日 後期:2024年3月24日
【見に行った場所】
東京国立博物館 本館
【拝観料】前売のペア券(購入は2枚単位)で1枚1300円
【見学にかかった時間】
特別展全体でじっくり観て約1時間
【この展覧会を知ったきっかけ】
夫と岩手県の中尊寺を見に行くことになり、今年1/6〜1/8の3連休に青春18きっぷで電車で一関に向かった。
電車で宿泊地の一ノ関駅に降り立つと、駅構内に大々的に中尊寺金色堂の展覧会のポスターが貼られていて、2月に上野に来ることを初めて知った。
これから現地に見に行くのに、家からそんなに遠くない上野でも見られるなんて不思議なタイミングだなと思った。
【そして展覧会見学】
2/24の11時頃に博物館に到着。本館前に長〜い行列ができていた。約30分並び、館内へ。
展覧会の会場に入り、最初に目に飛び込んできたのは、巨大なスクリーン。幅約7メートルの巨大ディスプレイ上に8KCGの超高精細の原寸大で再現した「デジタル金色堂」
じっくり観たいけれどまずは通り過ぎ、展示室へ入った。ずらっと並ぶ仏像は後で見るとこにして、周りを囲む展示物を、空いているものから見ていった。混雑していて展示物を見るための行列ができていたけれど、天蓋等は比較的空いていて見やすかった。
しかし書跡系は大混雑。
見ても何と書いてあるかもわからないのに、ただ国宝だからという理由で行列に並ぶじぶんを滑稽に思いながらも、スゴいなスゴいな(←知識無くて語彙力無し)と思いながら金字と銀字で書かれたお経を目に焼き付けた。
●そして「金光明最勝王経金字塔曼荼羅」
じぶんの印象では、ここが今展覧会で一番混んでいた場所だと思う。部門は絵画であり、一見絵に見えるけれど、よく見るとぎっしりとお経が書かれている。なんだかスゴいなんだかスゴい!(語彙力よ…)と思いながら隅から隅までじっくりと眺めた。ひと通り眺めて満足し、さ、次に行こう、と歩き出そうとするも、この絵を観ている人がびっしりして抜け出せない。「人がいっぱいいて国宝から抜け出せない」という、生きていて滅多に遭遇しない状態に陥った。
ちなみにこの曼荼羅は平安時代の作品だけれど、国宝指定されたのは2001年でそんなに古くない。
人がもしゃもしゃいる曼荼羅ゾーンから何とか抜け出すと、いよいよメインの仏像に向かう。
仏像は思いの外スムーズに見ることができた。
1月に中尊寺で眺めたばかりの仏像がここにいて、ものすごく近くで見られることに心が弾んだ。
邪鬼を踏みつけて懲らしめている動きと表情が力強くて生き生きとしていた。ミュージアムショップに邪鬼のぬいぐるみがあったけれどかなり微妙だった。もふもふした食べものならよかったのにな。
●続いて地蔵菩薩立像6体
手に桃みたいなものを持っていた。あと、まっすぐ直立しているのだけど、足を見ると置き方が左右揃ってないものがあり、これも何かの意味があるのかな無いのかな、と思いながら見ていた。そもそもこの方たちが中尊寺にいるときはこんなに近くから見られないし、後ろに回ってまじまじと見ることもできないし、この展覧会はかなりレアなイベントなんじゃないか、と改めて気づく。
6体をひとつひとつ一周してじっくり眺め、次は
●阿弥陀如来坐像
メインとなる1番大きな仏像。よく見ると、どこかで見たことのあるような顔をされている。両国辺りで見たことがあるような気がする。
ギラギラした光背が無いため神々しさは半減するけれど、900年間こんなところをまじまじと見る人はあまりいなかっただろうな、と思うような背中側や台座、頭部のぶつぶつ「螺髪(らほつ)」までじっくり見ることができた。続いて
手に一輪の花を持っていて、身体に巻いている衣がしなやかになびく様が表現されていて、柔らかで穏やかな印象の仏像。衣の部分を見ると、釘のようなもので腕に打ち付けてあった。中尊寺で眺めているときには気づかないような細かいところも見られて、このイベントはまさに神(いや、今回の場合は仏か)イベントだと実感した。
この方たちが中尊寺へ帰ったら、家から遠くない場所でこんなに間近で見られる機会は今後恐らくやってこない。900年も中尊寺にいた仏像もまさか東京(武蔵の国)に行くことになるなんて思わなかっただろうな、と思いながら再度1体1体の仏像を見て回った。尚、ここの諸仏像が作成されたのは平安時代時代12世紀だけれど、国宝指定されたのは2004年 6月 8日で国宝としてはそんなに古くない。それまでは重要文化財だったらしい。
展示室を気が済むまで見学し終わると、最後に入口の巨大スクリーンへ向かった。入ったときはチラ見程度だったけれど、何だかスゴいものが流れているということは気づいていた。ちょうど1番前の真ん中に立てたのでそこから鑑賞。混んでいたけれと、数分の映像なので回転は早かった。
金色堂と仏像たちがぐわっと近づいてくる。
ほほう、これが8KCGか!
その迫力に圧倒され、目が皿のようになりながら息を呑む。新体験!何度でも観られるくらいスゴい映像だった。また観に来よう、と思い、会場を後にした。
ええ、実は。前期と後期を両方観るため、前売券を2枚購入していたのだった〜。
そして1ヶ月後の3/24。ふたたび国立博物館に来た。今回は会場の少し前に着いたけれど、門の前には既に行列ができていた。会場時間となり、博物館の門を通ると、人の流れのほとんどが本館に向かっていたけれど、朝一番で来たということもあり、あまり待ち時間無く中に入ることができた。前回既に見た作品や前期後期で入れ替わっている作品も含めひと通り鑑賞し、再度仏像のスペースへ入った。
次にここの仏像と会うときは、金色堂の参拝者のスペースで遠くから眺めることとなる。今のじぶんはとても貴重な場面に遭遇している。
気をつけて平泉にお帰り下さい。一体一体に心の中で声をかけながらじっくり見て回った。
そして最後にふたたび8KCGの巨大スクリーンへ。
「スゴいなスゴいな」と再び息を呑みながら最先端の映像を堪能し、会場を後にした。