国宝巡りの記録

昭和43年発行の国宝事典(増補改訂版)を元に国宝を巡っていきます。

人物画象鏡(隅田八幡神社)

【読み方】じんぶつがぞうきょう(すだはちまんじんじゃ)

【見に行った日】

2024年1月20日

【見に行った場所】

東京国立博物館 平成館 考古展示室

【拝観料】

同日に観た特別展の前売券1900円で常設展も観れた。

【見学にかかった時間】

考古展示室全体で1時間

【鑑賞メモ】

5,6世紀頃に鋳造された仿製鏡。仿製鏡とは中国の漢式画象鏡を忠実に模倣して鋳造した銅鏡。

国宝事典によると「江戸時代に編纂された「紀伊国名所図会」等にも収蔵されており、古く出土し、和歌山県の隅田八幡神社に伝来したものと認められる」とのこと。

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」を見に行く

【見に行った日】2024年1月20日

【見に行った場所】東京国立博物館 平成館

【拝観料】特別展の前売券:1900円

【見学にかかった時間】

特別展全体で、休憩を除き約2時間10分。

本阿弥光悦さんについて】

恥ずかしながら今まで名前さえ知らなかった。「国宝が見られるというので見に来ました〜」と完全に国宝目当てで博物館の門をくぐった。ところで歴史上の人物について「徳川家康さん」とは言わないし、「さん」は略していいのだろうか🤔と思いつつも何となく呼び捨ては気が引けるので「さん」付けで書いていくことをお許しください。

【日程】11時頃に上野駅に到着。約10分歩き、東京国立博物館に到着。早速平成館へ。f:id:sakuhirose:20240131172630j:image

この展覧会は第1〜4章に分かれている。f:id:sakuhirose:20240203162731j:image

〈第1章〉

会場に入り、まず目に入ったのは

続いて刀コーナーへ。

刀を見終わると「折紙」を見る。「折紙付き」の語源となったと知りびっくり。こういう場所はとても勉強になる。

その後はかつてお寺に掲げられていた光悦さん筆の「扁額」を見る。

硯箱を作るし刀にも関わっているし扁額も書くし、この人スゴイな、と思い始める。

そして「立正安国論

光悦さんは日蓮宗を信仰されていて、他にもお経を写したものが展示されていた。なんて書いてあるか分からない長い巻物を読みながら、なぜだか心が落ち着いて「わたしはここにいていいんだ」と思った。

〈第2章〉

光悦さんが描いた謡本などを見たあと、いよいよ次の国宝が現れた。

個人的には「うわ、厳島神社!」と所蔵している場所にも興奮した。いつか行こうと思っていたところの国宝が見られるなんてありがたい。

第2章を見終わるとミュージアムショップに出た。あれこれ商品を見たけれどこれといって欲しいものは無く、次の会場に進んだ。

〈第3章〉

入ってすぐに、おおっ!っと思った。そこには日蓮大聖人さま筆の書状(四条金吾殿女房御返事)が。日蓮宗を立ち上げた日蓮さまの直筆なのに重要文化財にもなっていなくて少しびっくり。直筆なら何でも良いというわけではなく、色々と条件や基準があるのだな。その後はいくつか光悦さん筆の書状などを眺めた。

「書状 久円老宛」というご高齢になられてからの書状には「膳所での仕事に気力が尽き果て」と書いてあり、何だか切ないと思うと同時に「膳所って何?」と気になってメモしていた。ネットで調べたけれど無学なじぶんにはよくわからなかった。

そして「古今和歌集断簡(本阿弥切)」

古今和歌集を11〜12世紀の人が書写したといわれるもの。光悦さんも大事に持っていたらしい。この展覧会で展示されているのは基本的には江戸時代や鎌倉時代のものが多く、断簡を見たときは、「おおう、平安時代!」と更に気が引き締まった。断簡とは一般的に雑誌や新聞の切り抜きのように古文書等を切ったものや書写して切ったものを言うらしい。そのためか重要文化財にはなっていなかったけれど、現代から見ると光悦さんの時代は何100年も前だけど、光悦さんからしても平安時代は何100年も昔のことであり、眺めながら歴史の深さを感じた。

〈第4章〉

ここでは茶碗が展示されていて、すべての茶碗をひとつひとつじっくりと一周して鑑賞した。

◆個人的に好きだった茶碗 

どれも本阿弥光悦(さん)作

黒楽茶碗 銘 雨雲 

飴釉楽茶碗 紙屋 

赤楽茶碗 銘 加賀

すべて見終わり、続いて平成館1階の考古展示室に向かおうとしたところ、エントランスの近くで光悦さんを紹介する番組が流れていたので椅子に座って観た。光悦さんは今でいうとマルチクリエーター、そして、徳川家康(さん)から「光悦は最近何をしているのか」と気にかけられ、広い土地を与えられたようなスゴい人だと知る。

【まとめ】この展覧会だけで6個の国宝を見ることができた。国宝だけではなく、美しい蒔絵や奥深い味わいの茶碗はもちろんのこと、書状や扁額、お経等を書写したもの、断簡等もじっくりと見られてよかった。じぶんの手落ちによりひとつ心残りなのは、「この絵いいな」と思った竹?の絵の何かがあったのだけど、目録に印を付けておくのを忘れてしまい、目録を元にネットでひとつひとつ探したけれど見当たらなくなってしまったことだ。ポストカードか何かあれば欲しいな、と思い2章の後のミュージアムショップで探した記憶があるので多分1章か2章ではないかと思うのだけど。また出会えるといいな。

人間ドッグのついでに国宝を見に行く

【見に行った日】2024年1月24日

【神社や宝物殿の拝観料】無料

【日程】人間ドックを受けるため、朝8時頃に東京の芝パーククリニックに到着。検査自体は10時半過ぎに終了。朝の受付のときに「最後に結果聞きますか?」と聞かれ咄嗟に「はい」と答えたけれど、後日正式な結果が送られてくるので聞かなくもよかったかもしれないな、と思いながら、検査後に医師から結果を聞くために30分くらい待った。

ここの人間ドックには昼食券がついていて、いくつかの飲食店から選べる。

ランチの一覧はこちらです。※2024年1/24時点。f:id:sakuhirose:20240129200558j:image


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11時過ぎに大まかな結果を聞き終わり、病院のあるビル内にあるタリーズで昼食をとった。

どこで何を食べようか数日前からネットで検索しまくって考えていた(←何しに行くのか)けれど、結局一番近いところにした。

パスタランチを食べ終わり、いよいよ出発。目指すはここから約3km離れた日枝(ひえ)神社。googleMapを見ながら「虎ノ門」など、じぶんに全く縁のないビジネス街をてくてく歩いた。これから行く神社は国会議事堂に近いため、途中から所々で警察官が警備のために立っていて物々しい雰囲気になってきた。

約40分歩き、神社に到着。早速宝物殿へ。こじんまりとしていて年季の入った展示室。かつて神様に奉納された品々がいくつも展示されていて神聖な気持ちになった。それに暖房が効いていてありがたかった。

見終わったあと何となく撮ったさざれ石。
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神社を後にし、歩いてすぐのところにある国会議事堂駅から電車に乗って帰った。

 

蒔絵唐櫃(蔦、厳島神社)

【読み方】

まきえからびつ つた いつくしまじんじゃ

【見に行った日】

2024年1月20日

【見に行った場所】

東京国立博物館 平成館

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」

【拝観料】

特別展の前売券:1900円

【見学にかかった時間】

特別展全体で、休憩を除き約2時間10分。

【鑑賞メモ】 

桃山時代の唐櫃。

蒔絵とは、漆器の表面に漆で絵や文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで器面に定着させる技。

唐櫃とは4本または6本の脚のついた中蓋のついた箱のこと。

蓋の裏に「この箱にいつ誰が何を入れた」という銘文が残されている。

 

短刀 銘吉光(名物後藤藤四郎)

【読み方】

たんとう めいよしみつ(めいぶつごとうとうしろう)

【見に行った日】

2024年1月20日

【見に行った場所】

東京国立博物館 平成館

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」

【拝観料】

特別展の前売券:1900円

【見学にかかった時間】

特別展全体で、休憩を除き約2時間10分。

【ひとこと】

鎌倉時代13世紀の刀。「国宝事典」によると「現存する同作のうちで乱れのできばえのもっとも華やかなもの」とのこと。「乱れ」とは何かと思いネットで調べてみたら「うねるような模様の刃文」刃文とは「刀身に見ることができる波模様」とのこと。

蒔絵硯箱(舟橋、本阿弥光悦作)

【読み方】

まきえすずりばこ(ふなばし、ほんあみこうえつさく)

【見に行った日】2024年1月20日

【見に行った場所】東京国立博物館 平成館

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」

【拝観料】特別展の前売券:1900円

【見学にかかった時間】

特別展全体で、休憩を除き約2時間10分。

【鑑賞メモ】

江戸時代の硯箱。

特別展のメインの作品。会場に入ると最初に飾られていた。

「国宝事典」によると、器形は従来の概念を打ち破る全く新しいもので、画期的な作品とのこと。


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太刀 銘則宗

【読み方】たち めいのりむね

【見に行った日】2024年1月24日

【見に行った場所】

東京都千代田区 日枝神社 宝物殿

【拝観料】無料

【見学にかかった時間】宝物殿全体で約10分

【鑑賞メモ】

鎌倉時代の刀。

他にもいくつか刀が展示されていて、見た目だけだとなぜこの刀が国宝なのか、無知なじぶんには全く分からない。

誰もいなかったのでじっくりと眺めていたら、刀に映ったじぶんと目が合った。刀の端から端までじぶんと目を合わせたまま動いてみたらゾクゾクっとした。

昔の人は刀を特別なものとして奉納していたらしい。そして「則宗」現存はすこぶる稀らしい。じわじわと腑に落ちた。f:id:sakuhirose:20240125195033j:image