【見に行った日】2024年1月20日
【見に行った場所】東京国立博物館 平成館
【拝観料】特別展の前売券:1900円
【見学にかかった時間】
特別展全体で、休憩を除き約2時間10分。
【本阿弥光悦さんについて】
恥ずかしながら今まで名前さえ知らなかった。「国宝が見られるというので見に来ました〜」と完全に国宝目当てで博物館の門をくぐった。ところで歴史上の人物について「徳川家康さん」とは言わないし、「さん」は略していいのだろうか🤔と思いつつも何となく呼び捨ては気が引けるので「さん」付けで書いていくことをお許しください。
【鑑賞の記録】11時頃に上野駅に到着。約10分歩き、東京国立博物館に到着。早速平成館へ。
この展覧会は第1〜4章に分かれている。
〈第1章〉
会場に入り、まず目に入ったのは
続いて刀コーナーへ。
刀を見終わると「折紙」を見る。「折紙付き」の語源となったと知りびっくり。こういう場所はとても勉強になる。
その後はかつてお寺に掲げられていた光悦さん筆の「扁額」を見る。
硯箱を作るし刀にも関わっているし扁額も書くし、この人スゴイな、と思い始める。
そして「立正安国論」
光悦さんは日蓮宗を信仰されていて、他にもお経を写したものが展示されていた。なんて書いてあるか分からない長い巻物を読みながら、なぜだか心が落ち着いて「わたしはここにいていいんだ」と思った。
〈第2章〉
光悦さんが描いた謡本などを見たあと、いよいよ次の国宝が現れた。
個人的には「うわ、厳島神社!」と所蔵している場所にも興奮した。いつか行こうと思っていたところの国宝が見られるなんてありがたい。
第2章を見終わるとミュージアムショップに出た。あれこれ商品を見たけれどこれといって欲しいものは無く、次の会場に進んだ。
〈第3章〉
入ってすぐに、おおっ!っと思った。そこには日蓮大聖人さま筆の書状(四条金吾殿女房御返事)が。日蓮宗を立ち上げた日蓮さまの直筆なのに重要文化財にもなっていなくて少しびっくり。直筆なら何でも良いというわけではなく、色々と条件や基準があるのだな。その後はいくつか光悦さん筆の書状などを眺めた。
「書状 久円老宛」というご高齢になられてからの書状には「膳所での仕事に気力が尽き果て」と書いてあり、何だか切ないと思うと同時に「膳所って何?」と気になってメモしていた。ネットで調べたけれど無学なじぶんにはよくわからなかった。
そして「古今和歌集断簡(本阿弥切)」
古今和歌集を11〜12世紀の人が書写したといわれるもの。光悦さんも大事に持っていたらしい。この展覧会で展示されているのは基本的には江戸時代や鎌倉時代のものが多く、断簡を見たときは、「おおう、平安時代!」と更に気が引き締まった。断簡とは一般的に雑誌や新聞の切り抜きのように古文書等を切ったものや書写して切ったものを言うらしい。そのためか重要文化財にはなっていなかったけれど、現代から見ると光悦さんの時代は何100年も前だけど、光悦さんからしても平安時代は何100年も昔のことであり、眺めながら歴史の深さを感じた。
〈第4章〉
ここでは茶碗が展示されていて、すべての茶碗をひとつひとつじっくりと一周して鑑賞した。
◆個人的に好きだった茶碗
どれも本阿弥光悦(さん)作
黒楽茶碗 銘 雨雲
飴釉楽茶碗 紙屋
赤楽茶碗 銘 加賀
すべて見終わり、続いて平成館1階の考古展示室に向かおうとしたところ、エントランスの近くで光悦さんを紹介する番組が流れていたので椅子に座って観た。光悦さんは今でいうとマルチクリエーター、そして、徳川家康(さん)から「光悦は最近何をしているのか」と気にかけられ、広い土地を与えられたようなスゴい人だと知る。
【まとめ】この展覧会だけで6個の国宝を見ることができた。国宝だけではなく、美しい蒔絵や奥深い味わいの茶碗はもちろんのこと、書状や扁額、お経等を書写したもの、断簡等もじっくりと見られてよかった。じぶんの手落ちによりひとつ心残りなのは、「この絵いいな」と思った竹?の絵の何かがあったのだけど、目録に印を付けておくのを忘れてしまい、目録を元にネットでひとつひとつ探したけれど見当たらなくなってしまったことだ。ポストカードか何かあれば欲しいな、と思い2章の後のミュージアムショップで探した記憶があるので多分1章か2章ではないかと思うのだけど。また出会えるといいな。